円安と円高どっちがいいの?
円安と円高、どっちがいいと思いますか?
一概には言えませんが、個人の場合は外貨資産を多く持っているか、円資産を多く持っているかで決まります。
企業の場合は輸出企業か輸入企業かで見方が変わりますよね。
そもそも、円安円高とは、円の価値が安いか高いかということ。
円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に少ない状態を円安、多い状態を円高と言います。
少ししか買えないのが円安、沢山買えるのが円高。
海外旅行に行った時のことを思い出すとわかりやすいのではないでしょうか。
円安と円高、それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
円安のメリット
個人消費者の円安のメリットは、外貨建て資産の相対的価値が上昇する点です。
例えば、米ドル預金を1万ドル保有している場合、1ドル100円のときに円に換金すると100万円ですが、より円安の1ドル160円の時期に換金すると160万円を受け取れます。
一方、企業の円安のメリットは輸出した際の「為替差益」が増えることです。
輸出産業は輸出品を海外で販売すると外貨で代金を受け取ります。その外貨をより円安の時に換金すれば、「為替差益」が大きくなります。
円安のデメリット
個人消費者場合、輸入品が割高になる点がデメリットです。
1,000ドルの商品は、1ドル100円なら10万円で購入できますが、円安で1ドル160円のときに購入した場合は16万円支払う必要があります。
また、企業の場合も円安は輸入企業にとってのデメリットになります。
原材料の大半を輸入に頼っている企業は、円安になると仕入れコスト増につながります。
円高のメリット
個人消費者の円高のメリットは、輸入品を安く購入できる点です。
例えば、1,000ドルの商品を買う場合、1ドル100円の時は10万円が必要ですが、より円高の1ドル80円のときに買うと8万円で購入することができます。
また、海外旅行に行く人にとってもメリットがあります。
海外旅行お小遣いが10万円あったとすると、1ドル100円であれば1,000ドルに交換できますが、1ドル80円なら1,250ドルとより多く交換することができます。
企業の円高のメリットは、個人と同様の理由で、安く輸入品を購入できる点です。
商品や原材料の大半を輸入に頼っている企業にとっては、大きなメリットがあると言えます。
私が昔働いていたブルックスブラザーズは、アメリカから商品を輸入して販売する企業でしたから、円高は嬉しいことでした。
円高のデメリット
個人消費者にとっての円高のデメリットは、海外資産の相対的価値が減少すること。
1万ドルの外貨預金の場合、1ドル100円であれば100万円に換金することができますが、円高で1ドル80円のときは80万円しか受け取れません。
日本は資源が乏しく、エネルギーや食品を海外からの輸入に頼っていることから、個人消費者という立場で考えると、円高のほうが円安よりもメリットが大きい傾向にありますが、このことから考えても円安傾向になっていくのは仕方がないことだと私は考えています。
個人消費者と企業を含めた国全体で見れば、円安・円高のどちらもメリット・デメリットがあるため、一概にどちらがいいとは言えません。
大切なのは、円安・円高のどちらに傾いても、リスクを抑えられる対策を立てておくことが何より大切です。
円安になっても円高になっても私は利益を得たいと思っています!
そのためにどうしているかというと、やはり資産をいろいろなものに分散しています。
そんな私の円安対策です。ご参考まで。
私の円安対策
① 外貨建ての保険に加入する
今ではまとまったお金は一時払いの貯蓄型保険で運用しています。
ここ数年のアメリカの債券の利率は高いですので、保険でも10年で約1.5倍に増やすことができます。
もちろん、ドルでの話ですが、為替リスクはさらにプラスに働くこともあると考えていますし、時間でコントロールできますから、心配どころか楽しみです。
また、10年経つと75歳ですから、そのタイミングで受け取って使いきれないかもしれません。そのため、10年待たずに毎年受取るタイプも活用し、遊ぶ資金にしています。
もし、銀行預金のままでしたら得られなかったプラスのお金ですので、躊躇なく遊ぶ資金にできます。
ところが、毎月保険料を支払う外貨建ての保険の場合はどうでしょうか?
円安傾向になると支払う保険料も増えていきます。
ですので、毎月支払う保険は保険料支払期間を10年と短くしています。
そして、円安ということは死亡保険金や介護・特定疾病の給付金も増えています。
とはいえ、受け取るタイミングで円高になっているかもしれません。
その時は、一先ずドルで受け取り、タイミングを見計らって円に換えればいいと考えています。
② 外国株の投資信託を購入する
外国企業の株式ばかりを集めた投資信託をNISAでは購入しています。
少しだけ海外で利益を上げている日本企業の投資信託も購入しています。
NISAは、つみたて投資枠だけでなく、成長投資枠も積立で購入しています。
これは、ドルコスト平均法効果を有効に使いたいから。
また、①の保険は債券で運用しているので、投資信託は株式オンリーです。
外国株式は価格変動が大きくリスクが高いので株式を直接購入せず、投資信託にすることでリスクを抑えています。
③ 外貨投資を活用する
今ほどアメリカの債券の利率が高くなかった頃、定期預金のような商品の利率が3%だったのでやってみましたが、今は保険の方が簡単でよかったなと思っています。
この3つはあくまで私の円安対策です。
必ず大丈夫と約束できるものではありませんが、いろいろ分散し、どんな状況になっても困らないような仕組みにしているつもりです。
円安・円高どっちが得かを比較すると、個人消費者の立場では円高のメリットの方が大きいかもしれませんが、国全体でみれば円安・円高のどちらがいいか一概には言えません。
大切なことは、円安・円高のどちらに傾いても、リスクを抑えられる対策を立てておくことではないでしょうか。
私たち個人にとっては、円高のメリットの方が大きいため、円安のリスクに対して対策を立てておけば、資産全体の運用のリスクを抑えることにもつながります。
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