母の遺産

母から相続したお金。
入院中に父が振り込んでくれました。

入院にそんなにかかるわけではありませんが、仕事が出来ないことや身体の痛みは、やはり不安で心細いものでした。もちろん、大丈夫なのは百も承知でしたけど。

「母のお金がある。」
このことにどれだけ気持ちが落ち着けたか…
母が側にいてくれるようななんとも安らかな心持ちでいられました。

このお金は、特別なお金。
手を付けたくありません。
母が戻ってくるわけではないけれど、大切にしておきたいものです。
他のお金とは別に管理して、大切に大切に持ち続けます。
間違ってもマイナスにならないように。
インフレでも目減りしないように。
そんな風に考え、外貨で元本保証のものに預け替えました。

このお金のことを思うと、身が引き締まります。
一生懸命に働いた母。
祖母と二人で雑貨屋を営んでいました。
大変だったと思います。
泣きたいこともいっぱいあったでしょう。

仕事をしながら忙しい中での家事ですから、めちゃくちゃ手際がいい人でした。
「片付けながら、料理する。」と教えられました。
料理が出来上がった時点で、台所はきれいにするようにと。

もちろん、家計簿は店の帳簿と一緒に毎晩付けていました。
締めるところは締める。
しっかり貯める。殖やす。
そして、私のためにしっかりお金を使ってくれました。
死ぬ間際には、冗談をまじりに
「あ～！もったいなかった！」
なんて言っていましたけど。
「親」ってすごいですね。

今の私のベースは母が教えてくれたことばかり。
そんな母に恥ないように、いつかあの世で会った時、
「あなたもまぁまぁ頑張ったわね。」と言われるように生きていきたい。
そんな風に思って仕事に励みます。

今日、お母様の遺産を大切に守りたいと長年のお付き合いのお客様から
ご契約をいただきました。
私にとって大切なように、お客様にとっても大切なお金です。
お母様との素敵な思い出と一緒に、安全にお守りして、しっかり殖やしていただけるよう一生懸命尽くしていきます。